来年1月から始まるNHK大河ドラマは「宮本 MUSASHI」である。関門海峡に浮かぶ宮本武蔵と佐々木小次郎決闘の島「巌流島」が、華やかなスポットライトを浴びることは間違いない。現在、無人島の巌流島に観光船が接岸できるように整備が進められている。
下関港ウォーターフロントにとって、来年は大きな追い風を受けることとなろう。しかし、次をどうするか、新設効果の薄れはじめる04年以降に真の実力を問われることとなる。海響館隣接地へホテルや商業施設を誘致する計画はあるものの、一方で施設整備はもう十分と見る向きもあり、今後はハードではなく、ソフトの整備が求められよう。
ソフト整備としては、何より人材の活用であろう。門司港名物の『バナナの叩き売り』は、冷蔵庫のなかった時代に、台湾から門司港に荷揚げされた熟れ過ぎたバナナを叩き売りしたといわれ、今では保存会のメンバーが週末ごとに自慢の口上を披露して客の喝采を浴びている。
下関でも、こうしたユニークな人材やグループによるボードウォークパフォーマンスなどが待たれるところである。また、下関に40名、門司に100名登録されている観光ボランティアを下関も門司も案内でき、観光客と一緒に周遊する海峡ボランティアへとスケールアップすることなども考えられよう。さらに、下関でも門司でも乗り捨てできるレンタサイクル制度を設け、下関と門司を結ぶ連絡船に自転車を積み、気ままに関門海峡を1周するなどの周遊性をもっともっと高める工夫もほしいところである。
下関と門司港を周遊する人の割合は、今のところ30%程度とみられており、まだまだ少数派である。下関港ウォーターフロントでウニソフトクリームを片手に海峡を眺め、門司港レトロでノスタルジーに浸り、バナナの叩き売りに思わず財布の紐を緩めてしまう、そんな海峡ウォーカーがますます増えることを期待して、今回のレポートを終えたい。